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群論 (8)同型写像


 準同型写像$~\varphi~$が全単射で、その逆写像$~\varphi^{-1}~$も準同型写像であるとき、 $\varphi~$は同型写像であるという(単に同型ということもある)。
また、群$~G_1,G_2~$に対して、その間に同型写像が存在するとき、$G_1,G_2~$は同型であるといい、$G_1\simeq G_2~$と表す。
$G_1~$と$~G_2~$が同型なら、$G_1~$で成り立つ群論的性質は$~G_2~$でも成り立つ。

命題15
準同型写像が全単射であることと、同型写像であることは同値である。

$G_1,G_2~$を群、$\varphi:G_1\rightarrow G_2~$を準同型写像とする。
$\varphi~$は全単射であると仮定する。
$\varphi~$の逆写像を$~\varphi^{-1}~$とする。
$x,y\in G_2~$とすると$~\varphi~$は準同型写像なので \begin{align} \varphi(\varphi^{-1}(x)\varphi^{-1}(y))&=\varphi(\varphi^{-1}(x))\varphi(\varphi^{-1}(y))\\ &=xy\\ &=\varphi(\varphi^{-1}(xy)) \end{align} となる。
$\varphi~$は単射なので、$\varphi^{-1}(x)\varphi^{-1}(y)=\varphi^{-1}(xy)~$である。
よって、$\varphi^{-1}~$は準同型写像なので$~\varphi~$は同型写像となる。
逆は自明である。
$$\square$$


命題16
群の同型写像の合成は同型写像である。

$\varphi_1:G_1\rightarrow G_2,\varphi_2:G_2\rightarrow G_3~$を同型写像とする。
$\varphi_1\circ\varphi_2~$は準同型写像であり、全単射である。
よって、$\varphi_1\circ\varphi_2~$は同型写像である。
$$\square$$