指数関数 (5)指数関数
このとき、補題14より \begin{align} &r\lt1~なら~r^p\gt r^x \gt r^q\gt0\\ &r\gt1~なら~0\lt r^p\lt r^x\lt r^q \end{align} となる。
また、$r=1~$なら$~r^x=1\gt0~$である。
よって、任意の$~r\in\mathbb{R}_{\gt}~$について$~r^x\gt0~$となる。
任意の$~r\in\mathbb{R}_{\gt}~$に対して、関数 $$ \mathbb{R}\longrightarrow\mathbb{R}_{\gt}~;~x\longmapsto r^x $$ を$~r~$を底とする指数関数という。
補題14より、$r\lt1~$なら指数関数は狭義単調減少となり、$r\gt1~$なら指数関数は狭義単調増加となる。
また、定理15から指数関数は連続関数であることがわかる。
$(1)~$
任意に$~\varepsilon\in\mathbb{R}_{\gt}~$をとる。
このとき、定理4$(1)$より、ある$~N\in\mathbb{N}~$があり、
$$
n\ge N\Longrightarrow |r^n|\lt\varepsilon
$$
となる。
特に、$|r^N|\lt\varepsilon~$である。
このとき、$x\in\mathbb{R}~$に対して、$x\ge N~$とすれば、
$$
|r^x|\le|r^N|\lt\varepsilon
$$
となる。
よって、$\displaystyle\lim_{x\to\infty}r^x=0~$である。
任意に$~M\in\mathbb{R}~$をとる。
このとき、定理4$(2)$より、ある$~N'\in\mathbb{N}~$があり、
$$
n\ge N'\Longrightarrow (r^{-1})^n\gt M
$$
となる。
特に、$r^{-N'}\gt M~$である。
このとき、$x\in X~$に対して、$x\le-N'~$とすれば、
$$
r^x\ge r^{-N'}\gt M
$$
となる。
よって、$\displaystyle\lim_{x\to-\infty}r^x=\infty~$である。
$(2)~$
任意に$~M\in\mathbb{R}~$をとる。
このとき、定理4$(2)$より、ある$~N\in\mathbb{N}~$があり、
$$
n\ge N\Longrightarrow r^n\gt M
$$
となる。
特に、$r^N\gt M~$である。
このとき、$x\in\mathbb{R}~$に対して、$x\ge N~$とすれば、
$$
r^x\ge r^N\gt M
$$
となる。
よって、$\displaystyle\lim_{x\to\infty}r^x=\infty~$である。
任意に$~\varepsilon\in\mathbb{R}_{\gt}~$をとる。
このとき、定理4$(1)$より、ある$~N'\in\mathbb{N}~$があり、
$$
n\ge N'\Longrightarrow |(r^{-1})^n|\lt\varepsilon
$$
となる。
特に、$|r^{-N'}|\lt\varepsilon~$である。
このとき、$x\in X~$に対して、$x\le-N'~$とすれば、
$$
|r^x|\le|r^{-N'}|\lt\varepsilon
$$
となる。
よって、$\displaystyle\lim_{x\to-\infty}r^x=0~$である。