実数 (3)疑似実数の四則演算
$R~$上の演算$\dot{+},\dot{\times}$を次のように定める。 \begin{align} &[a_n]~\dot{+}~[b_n]=[a_n+b_n]\\ &[a_n]~\dot{\times}~[b_n]=[a_nb_n] \end{align} 定理6よりこの定義はwell-definedである。
この定義から明らかに$~\mathbb{Q}~$上の$+,\cdot~$で成り立つ性質は、$R~$上の$\dot{+},\dot{\times}$でも成り立つことがわかる。
よって、$R~$は$\dot{+},\dot{\times}$によって体になる。
実際、$\dot{+}$の単位元は$~[0]~$であり、$[a_n]\in R~$の$\dot{+}$における逆元は$~[-a_n]~$である。
また、$\dot{\times}$の単位元は$~[1]~$であり、$[a_n]\in R\setminus\{[0]\}~$の$\dot{\times}$における逆元は命題7より存在が保証される。
ここで、「加法逆元を足す」操作と「乗法逆元をかける」操作の省略として$~R~$上の減法と除法を定義する。