集合と関係 (3)商集合
集合$~X~$における同値関係$~R~$について、$R~$による同値類全体の集合は$~X~$の分割をなしている。
この分割のことを$~R~$による$~X~$の商集合と呼び、$X/R~$と書く。
つまり、 \[ X/R=\{[x]_R\mid x\in X\} \] である。
また、$X~$から$~X/R~$を作ることを$~R~$による類別という。
$X~$の各元$~x~$に対してその同値類$~[x]_R~$を対応させる写像を自然な写像という。
$X/R~$の元$~C~$に対して、$x\in C~$となる$~X~$の元を$~C~$の代表元という。
また、$A\subset X~$が$~X/R~$の各元の代表元をちょうど1つずつ含むとき、$S~$を$~R~$の完全代表系という。
定理4
集合$~X,Y~$と写像$~f:X\to Y~$が与えられているとする。$X~$における同値関係$~R~$が $$ xRy\Longrightarrow f(x)=f(y) $$ を満たしているとき、$f=g\circ\pi~$となる写像$~g:X/R\to Y~$がただ1つ存在する。
(ただし、$\pi:X\to X/R~$は自然な写像である。)
また、$f~$が全射ならば$~g~$も全射となり、$xRy\Leftrightarrow f(x)=f(y)~$となるとき$~g~$は単射である。
同値類について、$xRy\Leftrightarrow[x]_R=[y]_R~$が成り立つ。
これと条件から、$[x]_R=[y]_R~$なら$~f(x)=f(y)~$となる。
よって、$x~$の$~f~$による値$~f(x)~$は$~[x]_R~$によって決まる。
つまり、同値類の代表元の取り方に値が依存しない。
このとき、$[x]_R~$に$~f(x)~$を対応させる写像が考えられる。
この写像を$~g~$とおくと、題意は満たされる。
また、$f=g\circ\pi~$となっていれば、$g([x]_R)=f(x)~$となるしかないので$~g~$は一意である。
また \begin{equation*} \begin{split} y\in g(X/R)&\Longleftrightarrow{}^{\exists}C\in X/R~\mathrm{s.t.}~y=g(C)\\ &\Longleftrightarrow{}^{\exists}x\in X~\mathrm{s.t.}~y=g([x]_R)\\ &\Longleftrightarrow{}^{\exists}x\in X~\mathrm{s.t.}~y=f(x)\\ &\Longleftrightarrow y\in f(X) \end{split} \end{equation*} となっているので、$g(X/R)=f(X)~$である。
よって、$f~$が全射ならば$~g~$も全射となる。
$xRy\Leftrightarrow f(x)=f(y)~$とする。
$[x]_R\neq[y]_R~$なら$~f(x)\neq f(y)~$となり、$g([x]_R)\neq g([y]_R)~$である。
よって、$g~$は単射である。
$$\square$$
これと条件から、$[x]_R=[y]_R~$なら$~f(x)=f(y)~$となる。
よって、$x~$の$~f~$による値$~f(x)~$は$~[x]_R~$によって決まる。
つまり、同値類の代表元の取り方に値が依存しない。
このとき、$[x]_R~$に$~f(x)~$を対応させる写像が考えられる。
この写像を$~g~$とおくと、題意は満たされる。
また、$f=g\circ\pi~$となっていれば、$g([x]_R)=f(x)~$となるしかないので$~g~$は一意である。
また \begin{equation*} \begin{split} y\in g(X/R)&\Longleftrightarrow{}^{\exists}C\in X/R~\mathrm{s.t.}~y=g(C)\\ &\Longleftrightarrow{}^{\exists}x\in X~\mathrm{s.t.}~y=g([x]_R)\\ &\Longleftrightarrow{}^{\exists}x\in X~\mathrm{s.t.}~y=f(x)\\ &\Longleftrightarrow y\in f(X) \end{split} \end{equation*} となっているので、$g(X/R)=f(X)~$である。
よって、$f~$が全射ならば$~g~$も全射となる。
$xRy\Leftrightarrow f(x)=f(y)~$とする。
$[x]_R\neq[y]_R~$なら$~f(x)\neq f(y)~$となり、$g([x]_R)\neq g([y]_R)~$である。
よって、$g~$は単射である。