集合と写像 (2)部分集合と集合の相等
集合$~A,B~$に対して、$A~$の元がすべて$~B~$の元でもあるとき、つまり、 \[ {}^{\forall}x\in A,x\in B \] が成り立つとき、$A~$は$~B~$の部分集合であるといい、 \[ \begin{array}{cccc} A\subset B & \hbox{または} & B\supset A & \hbox{または} \\ A\subseteq B & \hbox{または} & B\supseteq A & \end{array} \] などと書く。 また、$A\subset B~$かつ$~B\subset A~$となるとき、$A~$と$~B~$は等しいといい \[ A=B \] と表す。
命題1
集合$~A,B,C~$に対して、次が成り立つ。
\begin{split}
(1)~&A\subset A\\
(2)~&A\subset B~\hbox{かつ}~B\subset A\Longrightarrow A=B\\
(3)~&A\subset B~\hbox{かつ}~B\subset C\Longrightarrow A\subset C
\end{split}
$(1)~$
$A~$の任意の元$~x~$について$~x\in A~$であることは明らかである。
よって、$A\subset A~$となる。
$(2)~$ 「$A=B$」の定義から従う。
$(3)~$
$A\subset B~$かつ$~B\subset C~$を仮定する。
任意に$~x\in A~$をとる。
このとき、$A\subset B~$より$~x\in B~$である。
さらに、$B\subset C~$より$~x\in C~$である。
よって、$A\subset C~$となる。
集合$~A,B~$に対し、$A\subset B~$かつ$~A\neq B~$のとき、$A~$は$~B~$の真部分集合であるといい \[ A\subsetneq B \] と書く。