集合と写像 (1)集合とは
集合とは
集合とは「明確な定義をもつ"もの"の集まり」のことである。 集合$~A~$を構成する"もの"を$~A~$の元、または要素という。 $a~$が集合$~A~$の元であることを \[ \begin{array}{ccc} a\in A & \hbox{または} & A\ni a \end{array} \] と書き、$a~$は$~A~$に属するという。 また、$a~$が$~A~$の要素でないとき \[ \begin{array}{ccc} a\notin A & \hbox{または} & A\not\ni a \end{array} \] と書く。
元を1つも持たない集合を空集合といい \[ \emptyset \] と表す。 どんな"もの"$a~$についても$~a\notin\emptyset~$である。
集合の記法
「"もの"$a_1,a_2,\dots,a_n~$の集まり」という集合を \[ \{a_1,a_2,\dots,a_n\} \] と表す。 この表記法を外延的記法または列記法という。
$x~$に関する条件$~p(x)~$によって定まる「$p(x)~$を満たす$~x~$全体の集合」を \[ \begin{array}{ccc} \{x\mid p(x)\} & \hbox{または} & \{x:p(x)\} \end{array} \] と表す。 この表記法を内包的記法または説明法という。
また、「集合$~X~$の任意の元$~x\in X~$に対して、ただ1つの"もの"$~y_x~$を対応させる規則」(これは後に解説する「写像」というものである)があったとき、「すべての$~x\in X~$に対して、その対応先$~y_x~$全体の集合」を \[ \begin{array}{ccc} \{y_x\mid x\in X\} & \hbox{または} & \{y_x:x\in X\} \end{array} \] と表す表記法もある。