実数論 (0)前提
実数論の解説をするにあたって実数が何かを明確にしておかなければならない。
ここでは、実数で構成した実数を使用する。
しかし、普段我々が使ってきた実数の性質は示してあるので、普段から使ってきた実数と思ってもらって問題ない。
実数の性質の中でも特に重要な性質をここにあげておく。
実数.定理16
任意の$~x,y\in\mathbb{R}~$について次が成り立つ。
\begin{align}
(3)&~|x+y|\le|x|+|y|\\
(4)&~|x-y|\le|x|+|y|\\
(5)&~|x|-|y|\le|x+y|\\
(6)&~|x|-|y|\le|x-y|
\end{align}
実数.定理13(Archimedesの原理)
任意の$~x\in\mathbb{R}~$に対して、$x\lt n~$となる$~n\in\mathbb{N}~$が存在する。
実数.定理20(区間縮小法の原理)
実数列$~\{a_n\},\{b_n\}~$が任意の$~n\in\mathbb{N}~$について
$$
a_n\le a_{n+1}\le b_{n+1}\le b_n
$$
を満たすとする。このとき、$\{b_n-a_n\}~$が$~0~$に収束するなら、ある実数$~x~$がただ1つ存在し、$\{a_n\},\{b_n\}~$はともに$~x~$に収束する。
また、任意の$~n\in\mathbb{N}~$について $$ a_n\le x\le b_n $$ が成り立つ。